台湾も何度か来ましたが、相変わらず飯もうまいし。ディープなところも多いし。

【台湾 デジャブな旅】

2001年夏、2度目の台湾旅行へ。

 前に見られなかった故宮博物館や、温泉を楽しみつつ、九分(人べんに分)を訪ねるのが一番の目的だ。台北からバスで約1時間、港町基隆で降り、さらにローカルバスで目的地へ。
 なにしろ「非情城市」でその町を観て以来、イメージだけは十分に出来上がっていた。なんというか、日活映画に描かれた情感のようなものを旅先で感じ取りたいというような、あるいは漠然とした恋心というのか。

 さて、目的地について、その急な坂道で有名な町並を散策し始めた。町といっても、もともと鉱山を中心として栄えた小さな村落のようなものだから、たいして大きな町ではない。そこに映画館や飲食店、遊興が集ったところで、北海道でいう三笠や夕張のようなものだろう。

 で、いきなりみやげ屋が迎えてくれる。そう、日本でもよく観光地にあるみやげ屋だ。その合間に食堂や茶屋、あやしげな鉱石博物館、寺院が並んでいる。急な坂道を昇りながら、なんともいえない既視感を覚えた。これはいつか来た道、これはどこかで知った雰囲気…。




 うー、どっかでみた絶対みた。





 そー、江ノ島だ!

 そうそう。くねくねと昇る坂道と、その細い路地を囲むように立つみやげ屋、食堂、旅館、あやしげな貝殻博物館…。そこらでだらだら暮らす猫。
違いといえばここは山、江ノ島は海。ここ台湾のみやげやにも、ご丁寧に観光記念の下駄や竹刀まである。(それも日本語で!)

 断っておくけど、江ノ島は大好きだ。ここ2、3年ご無沙汰だけど、およそ毎年訪ねている。もちろん江ノ島水族館だって欠かさない。だからここ台湾の地も大好きだ。

 何十年と時間が止まったかのような町の風情、流行など関係なくいつも観光客を迎えてくれる郷愁。ちょっと派手派手しいのも、B級っぽいチープさも、それがあるから江ノ島だし、ここ九分なんだと思う。そんなことを考えながら、行きのバスで行き先を教えてくれた地元の人がすすめる食堂で、名物「いもだんご」を食べながら考えていた。
「さざえの壷焼きがあればばっちり江ノ島だなー。」

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